Dear My Bestie presented by Bluebell Bell
- 九重 十日

- 10月14日
- 読了時間: 4分
大阪の珈琲舎・書肆アラビク様にて
人形展「Dear My Bestie presented by Bluebell Bell」を
開催させていただくことになりました。
丸美鈴先生のお教室で日々共に学ぶ
仲良しな先輩方との4人組ユニットの初展示です。
このようなとっても素敵な機会をくださったアラビク様には、
感謝の気持ちでいっぱいです。
今回の展示について、
私は、人形にたくさん語らせるよりも、
静かに佇ませることを大切にしています。
視線を少しだけ外したり、口元の緊張をほんのわずかにほどいたり
——その微細な差で、見る人との距離感や温度が生まれると思います。
言葉を探しているあいだ、となりで待っていてくれる気配を、
人形の顔つきや姿勢でそっと用意したいと考えています。
本展では、いくつかの距離で“親しい存在”をつくりました。
まっすぐ見返す子、少し斜めを向く子、
目を閉じてこちらの時間に寄り添う子。どの子も雄弁ではありませんが、
その沈黙は「あなたの言葉を待っています」という合図だと思っています。
『Dear My Bestie』というタイトルは、
書肆アラビク様からの案ですが、
私は、そのタイトルから、展示そのものを手紙に見立てています。
宛名は「親愛なる、いつも隣にいる君へ」です。
「君」が誰であっても良いように、答えは書きませんでした。
ご覧になる方の立つ位置と、その日の温度で、
受け取る内容がそっと決まっていく
——そんな展示になれば、と思っております。
以下展示作品の紹介です、


『Dearest 羊の子』
42cm オールビスク グラスアイ モヘア 皮革 ビスク製羊の角付き
メイドさんのお洋服を着せるのは、
Bluebell Bellメンバーで話し合って決めました。
私なりの解釈では、「仕える服」というのは、
誰かを支えたいという気持ちの象徴でもあります。
自分の意志を押し出すよりも、
相手の気持ちに寄り添うための衣装であると思っています。
この服は、彼女が“奉仕する存在”というより、
“そばで寄り添うことを選んだ存在”であることを示しています。
また、羊は、守られる存在であると同時に、
人に安心を与える象徴でもあります。
この子の姿には、傷ついた心をそっと包み込むような、
柔らかな祈りを込めています。


『Lit Beside You』
58cm オールビスク グラスアイ 人毛 皮革
タイトルには、“あなたのそばに灯るとき”という意味を込めました。
それは、まぶしい光ではなく、
心の奥でそっと灯る小さな明かりのような存在です。
悲しい日や、うまく言葉にできない夜にも、
静かに寄り添ってくれるような――そんな光です。
やさしく灯る光のなかで、
心の奥の小さな明かりを、そっと見つけていただけたら嬉しいです。



『ゆめをひとさじ』
この子がすくっているのは、ほんのひとさじの“夢”です。
それは、大きな希望や派手な願いではなく、
静かに生きていくための、小さな光のかけら。
「もう少しだけ頑張ってみよう」と思える、
ごくささやかな力を象徴しています。
人は、悲しいときや孤独な夜に、
誰かの言葉よりも“気配”に救われることがあります。
この子は、そんなときにそっとそばで灯ってくれる存在です。
「大丈夫」と言わなくても、ただ一緒に息をしてくれるような
そんなぬくもりを持たせたいと思いました。
『ゆめをひとさじ』は、
「夢を見ること」そのものではなく、
「夢がまだ残っている」という安らぎを形にした子です。
あなたの心にも、まだ消えていない光が
そっと灯っていますように。
それを見つめるとき、この子がそばにいられたら嬉しいです。
展示初日の16日と18、19日はしばしば在廊予定です。
何かありましたらSNSを通してでもご連絡ください。
「Dear My Bestie presented by Bluebell Bell」
会期:
2025年10月16日(木)〜10月27日(月)
13:30~20:00
会期中水曜定休
会場:
大阪市北区中崎3-2-14
<オンライン販売>
・10月16日20時〜 お問合せ受付:http://arabiq.net/contact にて。
・10月23日午前0時〜 ウェブショップ通販:https://arabiq.shop-pro.jp/ にて。
今回も心を込めて頑張って制作しましたので
是非ご高覧いただけますと幸いです。
お近くにお立ち寄りの際は、何卒よろしくお願いいたします。



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